太陽です。
今朝、新聞を見ていた時のこと。
「不登校傾向」の中学生が増えている、という記事が出ていました。
不登校から引きこもり状態になる人もたくさんいるため、とても気になりました。
今回は、不登校と生き辛さについて考えてみたいと思います。
目次
不登校傾向とは?
不登校傾向とは、通学はしているものの、「学校に行きたくない」と心で感じている状態。
学校には登校するものの、教室には行かずに保健室で過ごす「教室外登校」、
一見普通に登校しているように見えても、心の中ですごく学校がイヤ、行きたくないと感じている「仮面登校」などの形があるみたいです。
潜在的な不登校の実態を示すものとして、関心が寄せられています。
この不登校傾向にある中学生が、推計で33万人もいるとの事です。
中学生の10人に1人にも上る計算になるそう。
学校に行けない、不登校の小中学生は約14万人なので、不登校傾向の中学生33万人と合わせると、50万人近くが不登校か、学校に行く事に苦痛を感じている・・・。
小学生の不登校傾向の人数を含めると、もっと多いでしょう。
そんなに多いとは思わず、びっくりしました。
きっと、普通に学校に行っているフリをしながら・・・
ものすごく無理をして、辛さに耐えている子が多いんじゃないだろうか・・・と思いました。
それと同時に、僕の小学校・中学校時代の事を思い出していました。
僕自身もまさに、この不登校傾向が小学校の時からあり、引きこもりの前兆とも呼べる漢字がすでに始まっていたんです。
僕の場合の、小学校中学校時代の不登校傾向
僕の場合は、小学校前から親の顔色を伺うようになり、自分というものを押し殺す生き方を選びつつあったのですが、それは小学校に入って加速していった記憶があります。
小学校1年から、行きたくもない習い事に無理やり行かされ、イヤイヤ通っていました。
楽しい記憶は全くなく、苦痛でしかないかった。
本当は辞めたかったけど、それが言えない。
自分の気持ちや意見を言ったら、罵声を浴びせられ、こっぴどく叱られる・・・それが分かっていたからです。
小学校1~3年は、ハモンドオルガンとスイミング。
テレビゲームは禁止でした。よその家の子どもが楽しそうにテレビゲームしてるのを、うらやましそうに見ながら、自分には出来ない、ムリなんだと納得させるしかなかった。
小学校4年からは、進学塾に行くことを命じられた。
中学受験をするように言われました。
この進学塾がまた過酷だった。
週4回、日曜日は朝から夕方まで、やりたくもない勉強をひたすらさせられた。
無理やりやらされるだけでも辛いのに、テストの点数が悪いと、存在を否定されるような罵声を浴びせられ、他の勉強がよく出来る子と徹底的に比較され、心が死んでいく感じだった。
小学校の不登校傾向は、小学4年くらいにはありました。
朝起きるのがつらく、学校に行くのが苦痛でした。
中学は、家から1時間20分くらいかかる所に、毎朝6時前に起きて電車で通ってました。
中学に入って、行き辛さというか、自分はダメだという自己否定の気持ちが、また一段と加速していきます。
友達もいないし、勉強にも全くついていけず、その事をバカにされたりしてた。
こんな気持ちをしてまで、学校に行かないといけないのか?
しかし、その事を親に言う事も出来ない。一笑に付され、学校を休む事は許されない。
辛い事を、辛いと言うことすら許されない。辛いというと、罵声を浴びせられ、存在を否定されるからです。
毎日が悪夢のようでした。
高校に入ってうつ病のようにエネルギーがなく、不安な気持ちはまた加速し、ついには大学に入った直後に、凧の糸が切れたように引きこもりになったんです。
引きこもりにならないためには、どうすべきだったか
僕の場合は、心の辛さが学校ではなく、家庭にあったため、不登校傾向といってもまた違った感じかもしれませんが・・・
今にして思うのは、安心出来る居場所が絶対に必要だった、ということです。
そして、自分の素直な気持ちを、安心して伝えられる人が絶対に必要だった、ということです。
安心して、自分の気持ちを言えること。
辛い、生きているのがしんどい、学校に行きたくない。
辛い事を、素直に辛いと言えることが、どれだけ大切なことか。
そして、自分の気持ちに寄り添ってくれる、信頼できる人がいることがどれだけ大切か。
それができれば、僕は引きこもりにならなかったかもしれません。
不登校傾向にある人へのメッセージ
僕のいる引きこもり支援団体でも、不登校傾向から引きこもりになった人も多くいます。
不登校傾向といっても、色んな事情があったり、その人その人の性格などもあったりしますし、傾向の程度にもよると思いますが・・・
僕の基本的な考え方をを話しますね。
まず最初に、あなたは悪くない。
自分が悪いから、自分のせいだって思わないで欲しい。
どうしても学校に行きたくないなら、どうしても登校するのが辛いなら、無理に行く必要はない。
無理をし続けたら、やがて心が壊れてしまいます。
学校に行かなかったら、勉強についていけなくなってしまうとか、中学生なら高校受験をどうしようとか、不安になってしまうかもしれませんが・・・
はっきり言って、そんなものは後からどうにでもなります。
まずは自分の気持ちを大切にする事が必要です。
勉強だって後からすればいいし、生きていく方法はいくらでもあります。
もちろん、生きていれば頑張らないといけない瞬間もあると思いますが・・・
無理して無理してどうしようもなくしんどいという事は、もう十分すぎるほど頑張っています。
今は頑張らず、休む時です。
安心できる居場所で、ゆっくり休む事。
そうすれば、エネルギーもたまってきて、やりたい事が見つかったり、勉強したくなったり、自然に動き出せるようになります。
親や周りの大人が、不登校傾向の子にしてあげれる事
まずは、普段から子どもとコミュニケーションを取って、信頼関係を築いておく事。
それが最も大切です。
そして、普段から子どもの事をよく観察し、知っておく事だと思います。
普段からその子の事をよく観察してたら、「何か元気がない・・・」「いつもと様子が違う・・・」
そんな変化にすぐに気づけます。
信頼関係ができていれば、子どもは辛い事があれば、話してくれます。
話を聞くときに大切なのは、ただその子の話を共感しながら聞いてあげること。
アドバイスとかはいらないんです。
(子どもがアドバイスを求めてきたら、してあげたらいいです)
子どもの事を評価しないで、ただ話を聞いて、受け止めてあげる事。
これが出来る大人は、非常に少ないです。
自分の価値観をもとに、評価を下してしまうからです。
(僕も出来ているとは言えないのですが・・・)
学校に行かないと、勉強が遅れてこの子の将来が・・・という心配や不安はあるかと思いますが、まずは子どもが安心できる事が大切。
それが土台になります。
社会全体で支えていけるように
社会の意識が変わって、社会全体で不登校の事を考え、支えていけるようになっていければと思います。
社会というのは、元をたどれば、一人ひとりの人。
一人ひとりの意識が変わっていけば、社会の意識が変わる。
僕もその一人でありたいと思います。
太陽