引きこもりと家族

親が子にしてはいけない事②「存在の否定」 毒親にならないために

太陽です。

「親が子にしてはいけない事」を数回にわたって書いていきます。無意識にでもこれをしてしまうと、子どもの心に大きな傷をつける可能性があるので、ぜひ知っておいて頂ければと思います。

前回は「比較」について書きました。自分と他の誰かを比べられた子どもは深く傷つき、その傷を一生引きずる可能性もあるという事でした。

前回の記事「比較」についてはこちらをどうぞ↓↓

https://taiyou-ao.com/dokuoya-1/3408.html

今回は、「存在の否定」についてです。子どもが自身の存在を親から否定される。その時子どもはどんな事を感じ、どんな影響が出るのでしょうか?

目次

存在とはなにか?

その前に、「存在」とはどんなものかを考えてみたいと思います。

人間、誰しも生きていますよね。人間は生きていく上で、色々な活動をしていきますが…その諸活動の前に、まず根本にあるのが「自分は生きているということ」「ここに存在しているということ」なんです。

今ここに自分が生きていて、存在している。自分はここにある。つまり存在とは、生きていることそのもの。

存在の否定とは、どんなものか?

そして、親が子にしてはいけない事「存在の否定」は、目の前の子が生きてる事を否定するものです。

存在の否定というと難しいですが、要はその子が生きているのを否定することです。

一番分かりやすい存在の否定が、「お前なんか産むんじゃなかった」というニュアンスの言葉を言う事。「お前を生んだことを後悔している」なども全部同じです。

その他は、「お前はうちの子じゃない」も存在の否定に当たります。

前回も書いたように、子どもにとって親は世界の全てと言っても過言ではないくらい大きな存在。そんな存在の親から「うちの子じゃない」なんて言われたら、子どもにとっては世界から生きている事を否定されたも同義です。

他に考えられるのが子どもを無視すること。無視されるという事は、自分は存在していないも同然ですよね。

富樫義弘の漫画「ハンターハンター」のキメラアント編で、ジャイロが父親に無視される場面があります。

これなどは典型的な存在の否定です。

「お前はうちの子じゃない」

「産まなければよかった」

「無視」

存在の否定は、その子の「全否定」と同じ。

僕が経験した存在の否定

ここで、僕が幼少期に受けた存在の否定の一部について書いてみます。前回の「比較」と同じで、主に母親から存在の否定を受けました。

よく言われたのが「あんたどこの子?本当の親が心配するから、早くおうちに帰った方がいいよ」という言葉でした。お前はうちの子じゃないと言われた上に、ここはお前の家ではないという居場所までも否定されて、深く傷ついた経験。

しかも、僕は何も悪い事をしていないにも関わらず、母親の機嫌が悪い時にストレス解消のような感じで言われました

他には、遊んでいて家に帰るのが少し遅くなった時、玄関の鍵がかけられていて家の中に入れないというのがありました。

チャイムを押しても、ドアを叩いても全く反応なし。無視です。その後家に入れてもらえるまで、気の遠くなるような長い時間を絶望しながら外で待っていました。

よく、しつけと称して子どもを家の外に出す親がいますが、やめた方がいいです。完全に存在の否定で、子どもはめちゃくちゃ傷ついています。

さらにこれは僕が言われたわけではないのですが、僕の兄が母親から究極の存在の否定をされました。

「お前なんかいらん!死ね!」という言葉です。その後兄は深く精神を病みました。

ここに書いた存在の否定は、ほんの一部です。

存在の否定をされたら、どうなる?

さて、存在の否定をされた子どもは一体どうなるのか…?

先ほど書いた様に、存在の否定は全否定と同じです。

存在を否定され続けた子どもは、「自分なんか生まれてこなければよかったんじゃないか…?」と思うようになります。

比較された時よりも強烈な自己否定感が襲ってくるようになり、生きていることに罪悪感を覚え、やがて生きてるのが辛くなってくる。存在の否定から、僕みたいに引きこもりになる人も数多くいると思います。

存在の否定は、一人の人間の人生を大きく狂わせてしまうことすらある恐ろしいものです。

まとめ:存在の否定は虐待

僕の兄が母親から言われた究極の存在の否定の言葉「お前なんかいらん、死ね」。

後日、兄が母親にどうしてそんなひどい言葉を言ったのか、問いただしたそうです。

そこで言われたのが、謝罪でも反省でもなく、「親が子どもにそんなひどいこと言うはずない」という耳を疑うような言葉だった…ということでした。

言った方は忘れてしまうのでしょうか。ですが言われた方は一生忘れることはない。

ここでもはっきり書いておきます。存在の否定は虐待です。存在の否定ばかりする親は毒親です。

前回の記事の「比較」は、つい言葉にしてしまう事もあるでしょうが、存在の否定よりはマシかもしれません。

ですが存在の否定は、たった1回やっただけでもアウトな場合が多いです。たった1回の存在の否定で、毒親になる可能性があります。これから親になる人、子どもがいる人は、存在の否定は言わないように細心の注意を払って頂ければと思います。

親が子にしてはいけない事は、まだまだあります。随時、記事にしていきたいと思います。

【この記事の3つのまとめ】

1.存在の否定は、生きていることの否定。つまり全否定で、強烈に子どもの心を破壊する

2.存在の否定は、「お前はうちの子じゃない」という言葉、無視、家から閉め出す…などがある

3.存在の否定は虐待。存在の否定をしないよう細心の注意を払う

太陽