行動・実践

抗うつ薬を減薬・断薬したい方必見!着実に減らしていく方法がある

太陽です。

ひきこもりの人の中には、うつや不安をやわらがあ、いわゆる「抗うつ薬」「向精神薬」などを飲んでいる方もいると思います。

そして、なんとなく飲み続けているうちに、「本当はやめたいけれど」薬を手放せなくなってしまった人も多いのではないでしょうか?

僕も、ひきこもっていた頃は抗うつ薬を飲んでいました。一時はけっこうな量を飲んでいたのですが、そこから減薬し、今は全く薬を飲まなくても良くなったんです。

今回は、「抗うつ薬の減薬」についてです。

・僕が抗うつ薬を止めようと思ったきっかけ

・実際にどうやって薬を抜いていったのか?

・減薬の時に気を付けるべき事

などについて書いていきたいと思います。

薬を減らしたいと思っている方がいれば、ぜひ参考にして頂ければと思います。

目次

僕と抗うつ薬の関係

僕は20歳を過ぎて間もなくひきこもりになりました。不安・うつなどの症状が出てとてもしんどく、心療内科に通うようになります。

そこで抗うつ薬を処方してもらい、飲み始めます。3種類の薬を飲んでいて、確か「リーマス」「コントミン」「デパケン」という薬だったと記憶しています。

うつの症状がとても強く、ワラにもすがる思いで飲み始めたのですが、薬の効果のほどは正直よく分かりませんでした。

薬を飲んでも不安感は消えませんし、相変わらずうつ状態が続く日々。

そんな中、だんだん薬の量が増えていき、多い時は3種類の薬を2錠ずつ、1日6錠を飲んでいました。また、同時に睡眠薬を飲んだりもしていました。

薬を止めようと思った、強烈なきっかけとは

そんな感じで何となく薬を飲み続けていたのですが、不安の改善はあまり見られません。

さすがに心配になって、不安の改善や抗うつ薬に関する情報も集めるようになったのですが…とても気になる事を発見したんです。

それが、「不安やうつは、薬ではなくカウンセリングなどで改善できることも多い」というものでした。

薬なしでうつを改善できるなら、それに越したことはありません。

さらに同じ時期に、とても怖くなるような情報を知り合いから聞く事になったんです。

「抗うつ薬は依存性が高いものも多く、飲み続けると一生薬を手放せない体になってしまう」というもの。

さらに、カウンセリングなどで改善できる人(本来薬を飲まなくてもいい人)も、医者に薬を出されて飲み続けているうちに、薬漬けになってしまう人もいるらしい…ということ。

この情報を知って本当に怖くなりました。

不安が改善されないまま薬を飲み続けていて、量が増えていく…まさに自分の事なのでは?

通っていた心療内科の主治医は信頼できる先生でしたが、この時薬を止めようと決意しました。

薬に頼らず、不安を克服していこう。ですがこの時、すでに抗うつ薬が僕の中にしっかり根付いてしまっていたんです。

自分で断薬しようとして大失敗

もう薬とは縁を切ろう。そう思った僕は、

主治医にも相談せず、それまで飲んでいた薬をいきなり断つ

という行動に出ました。

これでもう薬を飲まなくてもいい…そう思っていたのですが、考えが甘かった。その日の夜中、体に異変が現れたんです。

抗うつ薬をいきなりやめた事による副作用でした。この副作用がとてつもなく強烈だったんです。

具体的には、

1:神経が高ぶって全く眠れない

2:体が異様に火照って、カッカッとして、汗が止まらない

3:ものすごい倦怠感、吐き気

といったものでした。正直、こんな強烈な副作用が出たことがショックでした。

どうやら、薬をなんとなく飲み続けているうちに、本当に薬を手放せない体になってしまったようです。

いきなりの断薬はあきらめ、その日は薬を通常通り飲みました。薬を飲むと、副作用は消えていったのですが…改めて薬の怖さ知りました。

そして次に病院に行った時に、主治医に相談することにしたんです。

主治医に相談、そこで言われたこと

次の病院。僕は薬を止めたいと思ってる事、いきなり断薬して副作用が出た話をしたんです。

すると、「いきなり薬を止めるのは絶対に良くない」という事を言われました。どうしても薬を止めたいなら、少しずつ減らしていくべきという事です。

そのうえで、主治医が減薬に協力してくれることになりました。指導のもと、減薬のプロセスのスタートです。

色々と話し合った結果、「ある方法」を使って、薬を減らしていくことにしました。

減薬プロセススタート。僕がとった方法とは?

僕がとった「減薬の理論」はこうです。

今飲んでいる薬を[100%]とすると、[99%]に減らしてもおそらく副作用は出ないでしょう。1パーセント位なら、誤差の範囲内で大丈夫という訳です。

そこで99%の量に減らして薬を飲み、99%で大丈夫なように身体を慣らしていく。

99%をクリアしたら、次は98%にする。体が98%をクリアしたら次は97%…。

少しずつ薬を減らしていけば、やがて0%になっても副作用が出ないまま断薬できるという理論。

体を徐々に少ない量に慣らしていくという方法です。理論上ではいけそうですが、実際にはどうなるか?

実際の薬は錠剤なので、カッターナイフでカットしながら量を調整して飲みました。

下の写真はイメージ図です。最初は半分にカットし、50%からスタート↓↓

ですがこれは失敗でした。量が少なすぎて副作用が出ました。

そこで、75%を試してみました↓↓

これでも少し副作用を感じました。

87.5%で試してみると、なんと副作用が出ませんでした↓↓

まずはしばらく87.5%でやってみる事にしました。3種類の薬を器用にカットし、全て87.5%にして飲みます。

減らした量が体になじんだら、さらに減らしていく

87.5%を2か月ほど続けましたが、副作用は出ません。そこで今度は、75%まで減らしてみました。

すると副作用は大丈夫でした!2か月前はダメだった75%が、今回は上手くいった。減らした量に体が確実になじんでいる証拠です。

75%でさらに2か月継続。副作用は出なかったので、思い切って50%にしましたが、残念ながら副作用が出ます。

そこで62.5%を試しましたが、副作用は大丈夫!なのでは62.5%をさらに2か月続けます。

こうして、時間をかけながら少しずつ薬の量を減らしていったんです。

もちろん、主治医と連絡をしっかり取りながらの作業です。

最後の方は漢方薬も併用して、断薬を達成!

こうして、87.5%→75%→62.5%→50%と減らしていき、ついに25%まできました!

ここまで来たらあともう少し。そして12.5%まで来た時に、主治医の勧めで「漢方薬」を使う事にしました。

漢方薬とは生薬。つまり自然界にあるものが材料なので、人工的に合成された薬とは違って効果がゆるいです。漢方薬を併用しながら、さらに抗うつ薬を減らしていこうという試みですね。

僕が実際に使用した漢方薬は、「抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)」というもの。ミカンの皮を乾燥させた成分も入っている漢方薬だそう。なぜか今でもよく覚えています。

(出典:漢方のツムラ

この漢方薬を飲みながら、抗うつ薬をさらに減らしていきました。

ある時、抗うつ薬を飲まず漢方薬だけにしてみたら、なんと副作用が出ない!いよいよ漢方薬だけでも大丈夫に。そこから、漢方薬も同じ要領で減らしていきました。

そしてついに……

全く薬を飲まなくても良くなったんです。

薬から解放された安堵を感じました。減薬スタートから実に1年が経っていました。

ついに断薬の達成です。

減薬・断薬をする際の注意点3つ

その後、カウンセリングに通うようになり、薬を使わずに不安と向き合ってコントロールできる方法を探っていくことになりました。

これは僕の場合ですが、不安な気持ちは凝り固まった考えや習慣から来ていたもので、薬を使わなくてもいいタイプのうつだったと思います。

減薬・断薬をする時の注意点、気を付けるべきことをまとめてみました。

注意点1:いきなりの断薬は絶対にNG

これは僕自身の経験でもあるのですが、突然薬を止めるのは絶対にやめましょう。

なぜかというと、強い副作用が出るので、極めて危険だからです。

抗うつ薬・向精神薬というのは肉体に強力に作用するので、その副作用もまたきついです。

特に何年も薬を飲み続けている人、量が多い人は、必ず何らかの副作用が出ると思っておいた方がいいでしょう。

また減薬・断薬は、必ず主治医と相談しながら進めましょう。抗うつ薬は強力な薬なので自己判断は禁物。専門家の意見を聞き、連携を密にしてやっていくのが基本です。

注意点2:時間をかけて薬を抜いていく

長い間薬を飲み続けている人ほど、薬を抜いていくのは大変な作業になります。なぜかというと、体が完全に薬を必要としている状態になってしまっているからです。

なので、短期間でやってしまおうとせず、長期的な視点でコツコツ減らしていきましょう。

僕が薬を飲んでいた期間は1年ほどでしたが、それでも完全に薬を抜くまでに同じ1年間を要しました。

薬を飲んでいた期間と同じ時間をかけるつもりで、少しずつ少しずつ減らしていく事が大切です。

注意点3:どうしてもしんどい時は薬を飲む

減薬を進めていくと、どうしても気持ちが落ちてしんどい時がやってきます。そんな時は無理せず、一旦薬を増やしましょう。

僕の場合も、順調に減らせたように見えますが、どうしてもしんどい時がありました。そんな時は一時的に薬の量を増やし、乗り切ってきました。

あまりにも気持ちがしんどいまま減薬を続けるのも危険です。

どうしてもしんどい時だけ飲む「頓服(とんぷく)」の薬もあるので、主治医に相談してみて下さい。

まとめ:断薬をあきらめない

 

減薬・断薬は、非常に時間のかかる作業です。しかもプロセスの途中に気持ちの浮き沈みの波もありますので、根気も必要です。

ですが、専門家の指導の下で減薬プロセスをやっていく事で、確実に減らしていけると思います。

本来、人間には「治癒力」が備わっているもの。悪い所があると治そうとする自然の力ですね。

それはうつ・不安にも当てはまります。人間には、うつを克服する力がある。

どうしても薬が必要な時は使用しつつ、薬だけに頼らない本来の治癒力を取り戻していきましょう。

あきらめず続けていけば、必ず変えていけます。

太陽