(著作者:Freepik/出典:Freepik)
太陽です。
今回も、就労移行支援に関する記事です。
就労移行支援を利用する際、「どの施設が自分に合っているのか」を見極めることはとても重要です。
合わない施設を選んでしまうと、途中で通うのが辛くなったり、就職活動に集中できなくなることもありますし、最悪途中で辞めてしまう…という事にもなりかねません。
逆に、自分に合った施設を選ぶことで、訓練の効果がぐんと上がり、安心して就職を目指せます。また、着実にスキルアップできることで、理想の職場に就職できる可能性も高くなります。
そこで今回は、自分に合った就労移行支援施設を見つけるための具体的な方法をご紹介します。事前準備編・見学や体験で見るべきポイント編・見学や体験での行動編・その他の注意点の4つに分け、それぞれの方法を5つずつ、合計で20の具体的方法を紹介します。
目次
事前準備編
(著作者:jcomp/出典:Freepik)
その1:自発的に動く
施設選びは他人任せにせず、自分の意思で探し始めることが非常に大切です。
親が話を持ってきたから仕方なく行くとか、誰かに無理矢理やらされると続きません。また、あまり調べずに適当に選んでしまうと、施設に愛着が持てなくなります。
僕の場合は、通っていたサポステで就労移行支援の話をもらって、「よし、やってみよう…何とかして今の自分を変えたい!」と思い行動しました。「自分の未来を自分で作る」という気持ちを持つことが、第一歩です。
その2:ある程度の体力をつけておく
(著作者:jcomp/出典:Freepik)
就労移行支援は、通所そのものにかなり体力を使います。なにせ、初めての場所で、初めて会う人達と、初めてのプログラムを何カ月も受ける訳ですから。ずっと引きこもっている人がいきなり通うには、体力的に厳しいものがあります。
そこで、就労移行支援に行く前に引きこもり支援団体やサポステなどの支援機関での活動から始めて、外で活動できる体力をある程度身につけておくことが望ましいです。
僕の場合は、引きこもり支援団体とサポステに両方通い、基礎体力を上げました。その他、散歩や運動・筋トレなどを取り入れて体力をつけておくのもかなり効果的です。
通う前に基礎体力があることで、気持ちにも余裕が生まれ、充実した就労移行での訓練生活につながりやすいです。
その3:事前に質問を考えておく
見学に行く前に、具体的に聞いてみたいことをリストアップしておきましょう。
例えば、「どんな就職先に繋がっていますか?」や「訓練内容はどんなものがありますか?」なんかでもいいですし、「本当に就職できますか?」「今から始めても遅くないでしょうか?」など、不安に思ってる事でも全然大丈夫です。
聞きたい事を予め考えておかないと、その場ではなかなか質問が出てきません。前もって準備をしておくことで質問しやすくなり、不安の解消にもつながりますし、より具体的に施設の良し悪しを判断できるようになります。
その4:身だしなみを整えておく
当たり前の事かもしれませんが、きちんとした身だしなみはめちゃくちゃ大切です。見学や体験時は清潔感のある服装で臨みましょう。
スタッフや他の訓練生にも良い印象を与えられますし、スムーズに入っていきやすくなります。
「この人と一緒に訓練したい」と思ってもらえるよう心がけることで、結果としてその後の訓練も上手くいきます。
その5:やりたいことを明確にする
施設選びをスムーズに進めるためには、自分がやりたいことや希望する就職先を事前に考えて明確にしておくことが大切です。「事務職がやりたい」「接客が苦手だから避けたい」など、自分の希望がはっきりしていると、施設のスタッフとも話がしやすくなります。
僕の場合は、「PCスキルを磨きたい」「PCを使う仕事に就きたい」という目標を明確にしていたので、見学に行った時もそれに関する質問をたくさんしましたし、納得できる施設選びにつながりました。
見学・体験で見るべきポイント編
(著作者:pikisuperstar/出典:Freepik)
その1:施設の雰囲気
施設内が清潔で、落ち着いて訓練に取り組めそうな環境かどうかを確認しましょう。
パッと見の第一印象もけっこう大切です。「ここなら頑張れそう」と思えるかどうか。自分の直感も意識してもいいと思います。結構重要なのがトイレ! トイレが清潔かどうか見ておきましょう。
その2:設備や環境
例えば、パソコンや作業スペースが充実しているか、訓練で使う機器が使いやすそうか、使用できるテキストは充実しているか、などをを見ておきましょう。自分が希望する仕事に近い環境が整っていると、スキルを磨く助けになります。
僕の場合はPCスキルが最重要だったので、PC関連の環境をしっかり見ました。最終的に僕が選んだ所は、1人1台のPCを使えることが決め手になりました。
その3:スタッフ
スタッフが親切で、話しやすいかどうかも重要なポイントです。何でも話しやすい雰囲気が、見学時に丁寧に説明してくれるか、質問に誠実に答えてくれるか、などをチェックしてください。
特に、自分が苦手としている部分に対してどのようなサポートをしてもらえるか聞いてみると良いです。
基本的に、就労移行支援のスタッフはどの施設も丁寧で優しく誠実な人ばかりなので、第一印象とか相性が良さそうとかで決めてもいいと思います。
その4:訓練内容
プログラムが自分の希望に合っているか、また無理なく取り組めそうなレベルかを確認しましょう。可能であれば、実際に訓練を体験させてもらって判断するのが一番良いと思います。
各施設にはそれぞれ特色があるので、自分がやってみたいカリキュラムが多く用意されているかも見ておきましょう。PC訓練に力を入れている所もあれば、自己理解・障害理解のカリキュラムを多く組んでいる所もあります。
僕はPCスキル、特にExcelの勉強をしたかったので、Excelの授業が充実してるかどうかも確認しました。
その5:他の訓練生の様子
訓練生同士の雰囲気や集中度も大切です。例えば、訓練生に活気があって楽しそうに話しているか、互いにサポートし合う姿が見られるかどうかを観察してみましょう。「自分もこの中で頑張ってみたい」と思えることが重要です。
僕が体験に行った所は、どの施設の訓練生も初めて見学する自分に優しくしてくれましたし、イヤな人は基本いないと思います。ここも相性が良さそうとか、雰囲気とかで決めて良いと思います。
見学・体験での行動編
その1:規則に従う
見学や体験では、施設のルールやスケジュールに従うことが大切です。時間を守る、指示に従うなどの基本的な行動を意識しましょう。
これは、施設の雰囲気を掴むだけでなく、自分がその環境でスムーズに馴染めるかを確認する機会にもなります。規則に従って動くことで、その施設のリズムみたいなものが分かり、それが自分に合うかしっかり確認しましょう。
「なんか合わないな…」という時は、やめておいた方が良いかもです。
その2:スタッフに質問する
(著作者:felicities/出典:Freepik)
見学時にスタッフに積極的に質問をしてみましょう。これはすごく大切です。重要なので必ず行ってください。
たとえば、「これまでの就職実績は?」「個別の事情に応じた柔軟なサポートは可能ですか?」「本当に就職までたどり着けるのでしょうか?」など、具体的な疑問を投げかけることが大切です。
質問を通して、スタッフが信頼できるかどうか、自分に合った対応をしてくれるかを見極めることができますし、自らの安心にもつながります。
しっかり質問するためにも、事前準備編で質問を考えておきましょう。
その3:訓練生に話しかけて生の声を聴く
可能であれば、実際に通っている訓練生に話しかけてみましょう。
「ここに通ってみてどうですか?」「どんなところが良いですか?」「この訓練って、どんな感じですか?」など、生の声を聴くことで、施設の実態がよりリアルに分かります。
訓練生の率直な感想は、パンフレットやスタッフの説明以上に参考になりますし、訓練生の雰囲気を知ることもできます。勇気を出して質問しましょう。僕は人に話しかけるのは苦手なのですが、体験の時に隣の人に話しかけてお話を聞きました。
その4:時間帯を変えて見学
できれば、違う時間帯や曜日に見学に行ってみましょう。例えば、朝と午後では訓練の雰囲気が違う場合がありますし、平日と土日では利用者の数や雰囲気も異なるかもしれません。複数回訪問することで、より客観的な判断ができるようになります。
また、体験をする場合は、1日フルで入る日を作った方が良いです。1日の訓練の流れやリズムが分かりますし、全体の雰囲気をかなり知ることができます。
僕の場合は合計で3か所に見学に行きましたが、すべてフルタイムの体験を入れました。
その5:気づいた点をメモ
見学や体験中に気づいたことを、その場でメモしておきましょう。
スタッフや訓練生の印象、施設の雰囲気、気になる点など、後から思い出せるよう記録しておくと便利です。複数の施設を見学した際に比較しやすくなります。
その他の注意点
その1:複数施設を見学する
自分に合った施設を見つけるためには、複数の選択肢を比較することが重要です。
理想は3つ以上の施設を見学することですが、無理のない範囲で構いません。それぞれの施設の特徴を理解することで、より自分に合った環境を選ぶことができます。
先ほど書きましたが、僕はPC・事務系訓練に力を入れている就労移行支援を合計で3つ体験しました。
どこも良かったですが、最終的に1番PC訓練に特化した施設を選びました。
その2:見学し過ぎない
一方で、見学を重ねすぎると、かえって迷いが生じることがあります。なぜかというと10以上も施設見学をすると、判断基準が増えすぎて分からなくなり、決められなくなってしまうから。
多くても5~6施設程度を目安にしておくと、最適なバランスを保てるかなと思います。結論としては、3~5くらいがいいと思います。
その3:完璧を求めない
どんな施設にも長所と短所があります。「ここが完璧!」という施設を見つけるのは難しいものです。というか、無理です。
完璧な施設を選ぶのではなく、自分の優先条件に合った施設を選ぶことを意識しましょう。
その4:期待し過ぎない
「ここに通えば絶対にうまくいく!」という過度な期待を持つのは避けましょう。
支援施設はあくまでサポートの場であり、最終的に努力するのは自分自身です。いくら最高の就労移行支援でも、自分から積極的に動かなければ全くの無意味になってしまう。
期待し過ぎず、結局は自分の頑張りにかかっていると考え、自ら道を切り拓いていく意識を持つことが非常に大切です。
その5:納得できるかが大切
施設選びは、自分の将来を左右する大切なステップです。
なので、「自分が納得できるか」が、就労移行支援での訓練生活に大きな影響を及ぼします。
焦って決めず、納得できる所を探しましょう。施設選びに時間をかけても、納得できる場所の方が頑張れると思うんです。そのために有効なのが、「1日だけでなく、何日か体験で通ってみる」こと。
1つの施設で最低3日、出来れば1週間の体験入所をしましょう。僕は、候補の3つの施設全部で1週間の体験に行きました。そのおかげで、就労移行支援もかなり雰囲気をつかむことができ、最終的な納得につながりました。
まとめ:丁寧に準備を進めて、納得のいく施設選びを
以上、自分に合った就労移行支援を見つけるための方法でした。
施設選びは、最初のステップであり、これからの未来を大きく左右する重要な決断です。
少し大変に感じるかもしれませんが、丁寧に進めることで、自分にとって最適な環境が必ず見つかるはずです。
僕は3ヶ月ほど時間をかけましたが、情報集めも体験入所も積極的に行ったおかげで、「ここで頑張りたい!」と思えるところと出会えました。
これから就労移行支援を探そうと思っている方も、人道を切り開くための大切な一歩として、前向きに取り組んでみてください。
自分に合った就労移行支援を見つけ、理想の就職へ一歩ずつ進んでいきましょう。
この記事のまとめ
・誰かにやらされるのではなく、自分の意思で動くことが大切
・見学や体験では、見るべきポイントを押さえて積極的に行動しよう
・自分が納得できる施設選びが、理想的な就職への第一歩となる