引きこもりと家族

僕はこんなにも愛されていた…一人暮らしで初めて知る親の愛に涙が

太陽です。一人暮らしが始まって、早くも1か月半が経ちました。

家事や必要なことは全て一人でやらなければいけませんが、だいぶ慣れてきました。料理・洗濯・掃除・買い物など。(掃除は少しサボり気味ですが。)

最初は散らかり放題だった部屋もだいぶ片付いて綺麗になってきましたし、生活に必要な食材や調味料・日用品なども少しずつ買いそろえました。一人暮らし開始直後の緊張感も少しずつ薄くなり、ようやく落ち着いてきた感じがあります。

ですが・・・  1か月半経った今、少しずつ気持ちに変化が出てきた所があるんです。

今回は、年末~正月にかけて起こった僕の大きな気持ちの変化を、起こった出来事とともに書いていきたいと思います。

目次

サイクリング中、突然のアクシデント

2019年12月下旬。

一人暮らしはとても順調だ。自炊は毎日こなしていて、包丁を持つ手も慣れてきた。

実家にいたころと比べて、摂取カロリーが減ったせいか、体重が落ちているのが少し気になる。182cmで65kgだったのが、63kgほどになった。

最近、ロードバイクに乗り込んでるせいもあるのだろうか。

・・・と、いつものようにロードバイクでサイクリングしていた時のこと。

ギアを変速しようとした所、どうも感触がおかしい。変速機の挙動がおかしく、チェーンがガチャガチャ鳴っている。

これは・・・! どうやら、変速のためのワイヤーが切れたようだ。ワイヤーの交換を兼ねて、ロードバイクの分解と組み立てをしなければならない時期のようだ。

しかし、ロードバイクの組み立て整備にはすごく時間がかかる。これは面倒な事になってしまった。サイクリングの楽しさは消滅し、少し憂鬱な気持ちが僕を襲う。

気持ちが沈んだまま、マンションまで変えることになった。

ひきこもり支援団体で仕事納め。大掃除と納会

2019年12月27日金曜日。

大体の会社では、今日が仕事納めの日。明日から年末年始の連休に入る。僕のいる引きこもり支援団体も今日がその日だ。

といっても今日は大掃除がメイン。メンバーのみんなと手分けして、支援団体の居場所を綺麗にする。普段はしない所も含めて、部屋のすみずみまで掃除した。

そして大掃除の後は、毎年恒例の納会がある。みんなとお弁当を食べながら談笑したり、ゲームをしたりする。特別にアルコールも少し出た。

12月の仕事納めの日は、大掃除&納会と決まっていて、毎年楽しみにしている。

明日からは、年が明けて2020年1月6日月曜日まで、9日間の連休に入るのだけど・・・ 一人暮らしで初めての年末年始。多少出かける予定はあるが、基本ひとりでいることが多くなりそうな気がする。

ロードバイクの整備をしたり、部屋の掃除、新しく買ったパソコンのセットアップなど、やる事はけっこうあるので時間を持て余すことはなさそう。それにしても9日間は結構長く感じるかもしれない。

メンバーのみんなより一足先に支援団体を後にし、帰り道についた。

北風が冷たく吹いている。

差し迫る年の瀬に、ロードバイクの整備を開始

2019年12月28日土曜日。

注文していたパーツ類が届いたので、この間トラブルがあったロードバイクの分解整備を始めることにした。

だけど思っていた通り。一つ一つの作業に、ものすごく時間がかかってしまう。一生懸命やっているつもりでも、全然作業が進んでいかない。それなのに、時間だけがすぎてゆく。2時間3時間すぐに経ってしまった。

当初は、12月の28日・29日の2日間で分解組立を終えようと思っていた。

そして大みそかにロードバイクの走り納め、1月1日に新年の初ライドに行こうと計画してたのだけど・・・

これでは、年内に終わるかも怪しくなってきた。年をまたいでしまうかもしれない。

焦る気持ちが強くなってきた。もうすぐwindows7のサポートが終了するので新しいパソコンを買ったのだが、まだ段ボールに入ったまま放置してある。そのセットアップもやらなければいけないのに。

整備をしながら、心なしか気持ちもだんだんマイナスの方向に向かっているような気がした。

ちょっと嫌な予感がする。

親戚やいとこが集まる忘年会に、久しぶりに参加

2019年12月29日日曜日。

この日は僕にとって、大きなイベントがあった。 親戚やいとこが集まる忘年会があり、それに参加する事になっていた。

いとこや親戚が集まる忘年会というと、けっこう当たり前の事で、何も大きなイベントと呼ぶべきものではないのが普通だと思う。

しかし、僕にとっては違った。

元ひきこもりだった僕は、あらゆる人間関係を避けてきた。もちろん、いとこや親戚との関係も。 以前にも何度かいとこ親戚の集まりに誘われたことがあったが、行く事が出来なかった。

自分がひきこもりである事が恥ずかしく、みじめで、そんな集まりには存在できなかったからだ。

それから時が流れ、僕はひきこもりを脱出して、現在では全然昔と違う心をもてるようになった。 色々な経験をすることで成長できると思っているし、いろいろな人と話して人間関係を作っていきたいと思えるようになった。

なので、今回の忘年会に誘われた時も、迷わず行くことを決めた。

果たして迎えた、忘年会。 いとこや親戚のみんなは、僕のことを忘れずいてくれて、温かく存在を受け入れてくれた。

僕もみんなと会うのが懐かしく、色々なことを話した。ひきこもり時代、あんなに会うのが嫌だったのがウソみたいだ。

忘年会の席では、僕の父と母、妹も来ていた。 帰り際、父と母は、紙袋を僕に手渡してくれた。なんでも、お正月用のちょっとしたおせち料理を作ってきてくれたそう。その他にも色々な食べ物を持ってきてくれた。

11月17日に一人暮らしを始めて依頼、父母に会う回数はめっきり少なくなった。

いつもは毎日作ってもらっていたご飯も、今では自炊だ。僕の体重が減ってしまったのは、実家のご飯を食べなくなったのが一番大きいのかも。

一人になって1か月半が経ち、家のご飯の味が恋しくなる時が何度かあった。

僕は父母に感謝の気持ちを伝え、忘年会の会場を一人後にした。

もらったおせち料理を、3日後に涙を流しながら食べることになるなんて・・・この時はまだ知る由もなかった。

親が持ってきてくれた食べ物

みかん

冬はやっぱり、みかんが美味しい。コタツに入って温まりながら食べたい。

ゴマメ・ひじき・ホッケなど

ゴマメは、おせちの中でも大好き。そして何気に、ホッケの塩焼きもうれしい!実は引っ越してから、ほとんど魚を食べなくなった。グリルもないし、魚を焼くのが面倒くさくて。

ローストビーフ&ソーセージ

ローストビーフは豪華すぎる!ソーセージも引っ越してから、見るのが初めてだった。何しろ肉系は、業務スーパーの鶏肉しか食べてないから。

黒豆を炊いたの

父親が手作りしてくれたおせち。どんな味なんだろう、楽しみ。

だんご汁

大分県の郷土料理だそう。なぜこれが実家にあったのかよく分からないが。

お菓子類

はは…。 昔なつかしいパピロと、ハイチュウまで。

ロードバイクの整備、思うように進まず

2019年12月30日月曜日。

忘年会の翌日、この日も朝からロードバイクの分解整備の作業だ。これまでに何回もやっている事なので、手順はわかっている。 なのに、思うように作業が進まないことに、僕は少々気持ちが沈んでいた。

手際のよくない自分自身にイライラしてしまう。

それにしてもこんなに時間がかかるのは初めてだ。これまでは、どんなに長くても3日以内で終わっていたはず。

2019年12月31日月曜日。

今日は大みそか。だが、ロードバイクの整備はまだまだ終わらない。年越しは確実になっていた。大みそかにまだ終わらない作業をいくつも抱えているなんて。

やるべき事をすべて終わらせ、すっきりした気持ちで新年を迎えたかった。

ロードバイクに乗るのは大好きだが、整備は好きじゃないかもしれない。

一体僕は何をやっているんだろう・・・正直、気持ちがどんどん暗くなっていくのがわかる。 僕は、父母のことを思い出していた。なぜか無性にさみしく感じる。

2019年が終わろうとしている・・・

一人で迎えた初めての新年。親のおせち料理に涙が…

2020年1月1日火曜日。

今日は元日だ。しかし、今日も朝からロードバイクの整備。2019年12月28日から初めて、もう5日目。あまりにも時間がかかりすぎている。

いとこ親戚の忘年会行ってからまる3日、1度も外へでていない。ひきこもりの時に戻ったかのようだ。

ずっと家にいると、だんだん気持ちがふさいできて、暗くなってくる。それに、人とも全く話さないので、孤独感もつのってきた。 僕の部屋にはテレビがないので、最近の世の中の情勢がどうなっているのかもよく分からない。

元旦も、夜になってしまった。こんな時でもご飯を作らなければならない。一人暮らしのさみしさが身にしみる・・・

そうだ!そういえば、こないだ父母が作ってきてくれたおせちや食べ物があったのを思い出した。今日はご飯を作る元気もないし、このおせち料理を食べよう。

おせちをお皿に並べて電子レンジで温め、いつものようにポツンと一人で食べ始める。

そのおせちの中の、黒豆を炊いたやつ。父が作ってくれたものだ。うちの父は、かなり料理をしてくれる人だ。メッセージまでついてるし。

僕のためにわざわざ料理をしてくれて、持ってきてくれて。

その黒豆を食べながら・・・なぜだかわからないけど、無性にさみしくなった。

そして・・・気が付いたら、涙が出ていた。お父さん、お母さん。二人のことを思い出していた。

一人暮らしで初めて知った親の愛情。僕は愛されている

思い返せば、父母とは色々あった。

僕がひきこもっていた時は、散々迷惑をかけてしまった。それでも、いつも僕に向き合い、サポートしてくれた。

実家にいるときは、父母が色々やってくれるのが当たり前だったけど・・・一人暮らしをして初めて、それが当り前じゃなかったことに気づいた。 そして僕が一人になっても、変わらずサポートをしてくれている。

一人になって初めてわかった、父母の愛。

僕は、両親からこんなにも愛されているなんて・・・。

涙とともに、感謝の気持ちが強く湧き上がってきた。

お父さん、お母さん。本当にありがとう。辛いこともあるけど、頑張るよ。

過去は変えられない。これからをどう生きるか?

2020年1月3日。

ロードバイクの整備は無事に完了し、再び乗れるようになった。

今年の初ライドにも行ってきて、2週間ぶりのロードバイクに、やっぱり僕はロードバイクが好きだということを再認識した。

2日前のさみしさから、元気も少しずつ戻ってきた。

そして、お父さんとお母さん。年末から新年にかけての僕の心の揺れ動きは、もちろん父母には言っていない。

涙を流したことも知らない。今後も言うことはないだろう。

今回のことで、僕は改めて考えていた――

僕は両親からものすごく愛されている事。それと同時に、これからは自分の人生、自分で責任をもって生きていかなければならない事を。

これまでは、心のどこかで、『自分がひきこもって苦しんだのは、両親のせいだ』という思いがあった。

しかし、それは自分の甘さからくる逃げの姿勢で、自分の人生を他人のせいにする生き方だった。それでは決して幸せになることはできない。

いつだって、自分の人生の責任は、自分にある。自分で選んで、自分で行動する。その結果がどうであれ、自分が責任を取る。

過去は変えられない。でも、今この瞬間から、自分がどう生きるかを変えることはできる。

自分の人生に責任を持って生きていこう。

その考えを強くした、2020年の始まりだった。

太陽