太陽です。
お盆の期間中ですが、いかがお過ごしでしょうか?僕の住んでる関西地方は、ただひたすら暑い日が続いております。
毎年、お盆のこの季節…8月の中旬になると、いつも思い出すことがあるんですね。
それは、「引きこもりからいきなり就職」しようとして、大失敗して打ちのめされた記憶です。
今回から3回にわたり、そんな僕の就職失敗談をお話します。
当時も、ただひたすら暑い、とんでもなく暑い日が続く8月のお盆の頃でした。
目次
太陽、28歳の夏。引きこもりから就職を目指す
時は2010年・8月。
今日もカンカン照りの、暑い日だ。この夏は暑すぎる。異常な暑さ。
気温は連日40℃近くになり、雨もほとんど降らない。ニュースでも、今年の夏は記録的猛暑と言っている。
現在、僕は28歳。だが、僕は仕事をしていない。そう…僕は引きこもりなのだ。
いや、26歳から引きこもり支援団体に通い始めて1年半ほどになり、週1,2回は外出して活動しているので、正確には引きこもりではないのかもしれない。
だけど、将来への不安、自己否定をしてしまう心、他者の評価がすごく気になってしまう、働けていないことなど…不安感・生き辛さがものすごくある。
外に出て活動してはいるものの、家にいた時とあまり差はないかもしれない…しかし、いつまでもこのままではいけない。
いつかは働かないといけないし、経済的に自立していかなければならない。
引きこもり支援団体に行き始めて1年半、外で活動する事はかなり定着してきた。そろそろ就職活動をするタイミングかもしれない。
就職して名実ともに引きこもりを脱出し、実家も出ていこう!
2010年8月のお盆、とてつもなく暑い28歳の夏。僕は就職することを決意した。
手に職をつけたい。そうだ、職人になろう
『就職しようと思ったものの、一体どんな仕事をしよう?』
僕は考えた。他人が怖い気持ちはまだ残っているし、接客業は無理…。あまり人と関わらずできる仕事がいい。
年齢ももう28歳。大学を中退してるので、最終学歴は高卒になる。そんな僕が働ける所なんてあるのか。
そうだ、手に職をつけよう。技術を身につければ、きっとやっていけるに違いない。
伝統工芸など、ものづくり系などどうだろう?引きこもりだったから、屋外で身体を動かす仕事もいいかもしれない。
僕は、新聞に入っていた求人のチラシがあったので、なにか良い求人がないか探してみた。
すると…!
1件の求人が僕の目に留まった。家を建てる仕事。大工の求人だった。
チラシで大工の求人を発見!ここを受けてみよう
読んでみると、「しっかり技術が身につく、やりがいのある仕事」と書いてある。しかも、未経験者大歓迎!
頑張れば職人になれるかもしれないし、外で働けるし。もしかしたら条件にぴったりの求人かもしれない。よし、ここに応募してみよう。
だが…その求人には気になる点がいくつかあった。
まず、正社員ともアルバイトとも書いてない。ただ「大工・見習い募集」とのみ。また、賃金や労働条件など、肝心な事が何一つ書いてない…
時給・勤務時間・勤務曜日・祝日・社会保険など…何一つ書いてない。
冷静に考えれば、何かおかしい求人だった。
だが…引きこもりから一念発起、やる気が急上昇してる僕には、そんなものはどうでもいい。もうすぐ引きこもりから抜け出せる!その気持ちだけだった。
僕は、求人チラシに載っていた携帯電話の番号に、電話をかけることにした。
しかしこれが、地獄の経験への入り口になるなんて、この時はまだ知るよしもなかった…
電話で応募したら、いきなり明日面接になった
僕は勇気を出して、電話をかけた。かなり緊張していた。
2,3回のコールのあと、すぐに人が電話に出た。野太い声の男性だった。
緊張してあまり口が回らなかったが、広告の求人を見て電話をかけたことをなんとか伝えた。
すると、明日面接をするので来てくれ、ということになった。電話してから面接まで、3,4日くらいあるのかな…と勝手に思っていた僕は、急な展開にあせった。
近くの事務用品店まで履歴書を買いに行き、駅前の証明写真機で急いで面接用の写真を撮った。(証明写真機の中が、サウナのように暑かったのを、いまだに覚えている…。)
履歴書を書いて、証明写真を貼って、何とか準備を整えた。
翌日。僕は指定の場所に自転車で向かったのだが…その指定の場所は会社の事務所ではなく近くの神社の入り口だった。
「会社の場所が分かりません」と言うと、この神社の入り口に来てくれという事になったのだ。とにかく行ってみる事に。
しばらく神社の入り口で待っていると、車がやってきた。その車が僕の前で止まり、中から人が降りてきた。どうやら昨日、僕の電話に出てくれた人らしい。大工の工務店の取締役社長、いわゆる「親方」だった。
この状況でどうやって面接するのだろうと思っていたら、突然「すぐに車に乗りなさい」とのこと!またここに戻ってくるので自転車は置いていきなさい、と。
大丈夫なのか!?しかしここは言われたとおりにするしかない。僕は自転車を置いて、黙って車に乗り込む。
そのまま、近くの喫茶店に行き、そこで面接をしてもらう事になった。
なんと、その場であっさり採用が決まってしまった
こうして喫茶店で始まった面談。僕はさっそく、昨日書いた履歴書を親方に渡した。親方は僕にいくつか質問をしてきたので、正直に答えた。
・引きこもりだったが、このままではいけないので働こうと思ったこと
・手に職を付けたいと思って、大工に興味があったこと
・一生懸命頑張ろうと思っていること
すると親方は、「君はまだ28歳やろ?若いもんや。年齢は全然気にせんでいいぞ。28歳っていうたら、大学を23歳で出たとして、まだ5年や。ちっとも遅くない。ええか、まだ君は普通の人から5年しか遅れてない。全然大丈夫や!」
という事を言ってきた。なぜか今でも、その親方の言葉が強烈に印象に残っている。
もっと引きこもってた事を色々言われるかと思っていたが…悪くない感じだ。そう思っていたら、突然親方が言った。
「よし、ウチで働いてみるか?」
僕はびっくりした。(え、本当に?就職ってこんなにアッサリ決まるものなのか?)
僕はもちろん、ぜひ働かせてください!と言った。
信じられない。昨日から就職活動を始めたばっかりで、もういきなり決まるなんて!?僕はちょっと浮かれていた。仕事も、絶対何とかなる!って思っていた。
いきなり明日から働く事に。展開が早すぎるが…
その喫茶店を後にし、神社の入り口まで車で送ってもらったが、車の中でも親方とお話をさせてもらった。そしたら…
「君はけっこう勉強できそうやな。ウチで仕事をしてしばらくしたら、建築士の資格を取ればいいぞ。金は会社で出すからな。」
えっ、建築士って大学とか専門学校出てないと取れない資格なんじゃないのか?
いや、そんな事より…そんな所まで面倒を見てくれるのか?もしかしてめちゃくちゃ良い人なんじゃ!?
親方はその後、携帯電話で誰かに電話をかけた。
「おう、ワシや。実は一人雇おうと思ってるんや。明日からや。面倒見てやってくれ、頼むわ。」
工務店の「番頭」と呼ばれる身分の人に電話をかけてるようだった。
どうやら明日からいきなり仕事で、今日の夜その番頭さんから電話がかかってくるらしい。詳しくは、その番頭さんから聞いてくれ、という事だった。
他にも、結構遠くの県まで仕事に行くこと。その工務店は会社というよりはファミリーでやってるという事など。また、ファミリーの中には15歳の少年がいて、住み込みで働いてるらしい。
15歳…? まだ義務教育中じゃないのか!?いったいどういう事なんだろう。とんとん拍子に就職できて浮かれていたが、あまりの展開の早さに急に不安になってきた。本当にやっていけるのか?
つい昨日まで無職のひきこもりだったのに、いきなり明日から仕事だなんて。
不安な気持ちがよぎるが…『とにかく今はやるしかない』という気持ちだけだった。
その後親方と別れ、家に帰った。
思っていたより大変そうで、急に不安がわいてきた
そして夜。例の番頭さんから電話がかかってきた。
会社の事務所に集合し、そこから車で現場に向かうらしい。
また、いきなり仕事はさせられないので、しばらくは「見学」という名目で現場に同行する事になったのだ。
しかし…その集合時間が、朝の6時!僕の家から自転車で20分はかかる所なので、朝の支度も考慮に入れると朝4時半には起きなければならない。もうあと6時間ほどしかない。
絶対やれると思っていたが、不安な気持ちがさらに強くなってきた。思っているより大変なのかもしれない。
考えても仕方ない、がんばってやってみよう!急にわいてきた不安感を打ち消ために、大丈夫だと自分に言い聞かせる。
急いで寝る準備をして、明日に備える事にした。
だが…ここから僕は、徹底的に打ちのめされる事になるのだ。
続きは、こちらからどうぞ(引きこもりからの就職で大失敗②社会復帰は無理!灼熱の大工見習実践編)↓↓
この記事のまとめ
・2010年8月、28歳の時に思い立って就職活動を始めた
・職人になろうと思い、広告で見つけた大工の求人に応募
・面接に行ったらその場で採用が決まり、いきなり明日から現場に行く事に
太陽